公的年金積立金の運用益過去最高はいいけど、やっぱり自助努力が必要

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2012年度の運用成績を発表しました。これによると公的年金積立金の運用収益は11兆2,222億円、利回り10.23%となり、運用収益、利回りとも過去最高となったそうです。昨年末からの円安・株高により運用益が押し上げられたのが要因のようです。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)というのは、厚生年金や国民年金の積立金の管理とか運用を行って、そこで上げた収益を国に納めて、年金運営を安定させることを目的としている独立行政法人です。

 早い話が、みんなから預かった年金の保険料を運用して年金資産を増やしたり(ときには減らしたり)管理したりする組織ということですね。

公的年金がもたないといわれながらも、どうにかこうにかやっていけている理由の一つに、年金積立金が潤沢(?)にあるからと言われています。

年金積立金というのは厚生年金と国民年金の保険料のうち年金の支払いに充てられた残りで、積立金として積み立てられた資金のことです。この運用益を年金支払いに充てることで、将来世代の負担が大きくならないようにしているわけです。

最近この積立金が減ってきているので不安視されていて、2006年度149.1兆円あった積立金総額が最近凄い勢いで減り続け、2011年度末に112.9兆円まで減少しています。

そんな中で運用収益11兆2,222億円というのはいい知らせではありますが、根本的な解決にはなりません。現役人口が減り高齢者が増える社会で、今の年金制度が賦課方式(現役世代が払う保険料が、今の年金支払いに当てられる制度)を取っている以上、年金財政が厳しくなるのは当たり前です。

 これからは老後の生活資金を公的年金に負うのは土台無理な話で、老後を心豊かに過ごすためには、一人ひとりが 自助努力でなんとかしないといけないということですね。

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